東北朝鮮学校への補助金は何故打ち切られたのか。

 東日本大震災で甚大な被害を受けた東北朝鮮学校に対して、宮城県が突然の補助金打ち切りを決定したのは、震災から一ヶ月とたたない3月末のことでした。

 

 その理由として挙げたのは、前年の201011月に北朝鮮と韓国の間で発生した砲撃事件です。当時の菅政権は、南北が互いに領海だと主張している海域で韓国が行った軍事訓練に対する対抗措置として、北朝鮮延坪島を砲撃したことを理由として、あろうことか当時進めていた朝鮮学校を高校無償化政策の対象に含めることを検討する審査の中止を指示しました。

 

 宮城県は国のこの決定を理由にして、平成23年度から補助金を交付しないことを決定した一方、凍結していた22年度分の補助金については、震災の被害に対する「人道的な見地」という恩着せがましい理由で交付しました。

 

 半世紀近くにわたって日本社会と共生してきた東北朝鮮学校に対する補助金を打ち切ることと「朝鮮半島の情勢」がどのようにつながるのか。

 

どうしてそんな理由で、子供達の「学ぶ権利」という最も基本的な人権を侵害しようと思えるのか。

 

東日本大震災の惨禍の中で日本社会に「きずな」という言葉がこだましていた中、朝鮮学校は無造作に切り離され、ただ疎外されたのです。